大学時代の友達と

彼と初めてあったのは、大学1回生の春学期に行われた、コンピュータ演習という授業だっただろうか。
その授業内で自分と似たような将来やりたいことを描いている人とグループになって、プレゼンをするという授業があった。
確か、その時に一緒になり、彼を知ったんだと思う。
その後、秋学期の英語の授業でも同じクラスとなった。はて、英語の授業は春秋同じメンバーなはずだけれども、春学期の英語の授業にもいただろうか?
そう思っていたが、どうやら自分より一つ年上とのことだ。詳しくは知らないが、単位を落としまくっていたらしく、あげくのはてに大学を1年留年してしまったという。
僕を大学内に友達と呼べる人はいなかったものの、彼は見かけたら話しかけてくれた。
とはいっても、本当見かけたら話かけてくれるぐらいで、電話番号を交換するようなことは当時はしていなかった。
そして、大学3年の冬。研究室の配属先が決まり、その中の一人に彼がいることを知った。
大学の研究では、二人とも研究室内の生徒の中では似たような研究となり、一緒に協力して作ったプログラムも少しあり、それ以外のことでもお互いの研究に協力しあった。
ただ、それぞれの考える進路は違っていた。
僕は就職、彼は院へ進学だ。進学とはいっても、その理由はもっと研究したいからというわけではなく、もっと遊びたいからであったそうだが・・・。
まあそんなわけで、去年の4月には自分は就職し、彼は院へ進学しているはずだった。
しかし、僕は内定がとれないまま卒業し、彼は院試に落ち、1年間研究生となることに決めたようだった。
「二人とも、同じ状況やな」
1年ほど前、彼はそのようなことを言ったような気がする。
そして自分は1年たっても就職が決まらず、彼は浪人したものの2年目も落ちてしまった。


まあ、そんなわけで昨日その友達にあいに行ってきました。就職に切り替えようか考えているから、どういう手段があるのか教えてほしいとかなんとか。
約束の時間では、15時にビッグマンのところだったように思うのだけれども、15時になってもいなさそうだった。
まあ、彼のことだから少しは遅れるかもしれないと考えながら、紀伊国屋で本を物色していると、彼から電話がかかってきた。紀伊国屋のとこにいると伝える。
「あれ?15時半に待ち合わせじゃなかったっけ?」「えっ!? 15時半やったっけ? 15時って言ってなかった?」
まあ、後30分ほど待つぐらいなら別にいいかと思いながら話を聞いていた。
「後1時間ほどで着く」
なんでやねん!


それから1時間と15分ほど経過し、着いたとのことだった。JR大阪駅の中央改札口のKioskのところにいるとのことだ。
とりあえず行ってみたものの、どこにいるのかよく分からず、電話をかけてみると「阪急側」とのこと。
しかたがないので、阪急側(北側)のまわりを探してみてもやっぱり分からず、「北側のKioskにいるけどどこにいんの?」と自分。「北側ってヨドバシのほう?」「そう」「いや、だから阪急側やって」
携帯電話の電池が切れた。まあ、その後すぐ会えからよかったものの。
ところで、彼のいう阪急というのは"阪急百貨店"のことだったらしい。自分は"阪急電車"のほうと勘違いしてしまい、すれ違いがあったということだ。
コミュニケーションって難しい。


最初の予定ではマクドナルドで話すということになっていたものの、時間が時間なので予定を変更し、ハローワークに行くことに。
その間に話を聞いていると、どうやらすでに首つりようの縄と台は購入したという。
ただ、自殺したいと思った理由を聞いてみるとどうにも悲観的。
一浪して院に落ちた人なんかどこにも就職できないだろう。例え就職できても超絶ブラック企業で、遅くまでサービス残業させられるに違いない。
みたいなことを考えていたらしい。そんなことになるぐらいなら死んだ方がマシとのことだ。そんなもんなのか。
TOEIC700点以上(もう少し勉強したら800点ぐらいはとれる自信があるらしい)の人だったら、就職先なんてすぐに見つかりそうなもんだけれども。
しかも、海外で働いてもいいと言ってるし。


ハローワークに着き、とりあえずハローワークカードを作らせることに。
それに、自分の話より、ハローワークの職員のほうが、雇用情勢については詳しいだろうし。
新卒応援ハローワークで長いことはなしていたが、何を話していたかは知らない。
ただ、「自殺も考えてる」ということは言ったらしい。
職員が思わず苦笑いしている様子があったが、もしかしてその時だったのだろうか。
とにかく、話を聞いてもらえてよかったとのことだ。自殺を考えてる人って案外、話を聞いてもらうだけで考えをあらためたりするもんなのかも。


ハローワークの用事をすますと、次に大学の梅田キャンパスに行くことに。
その途中、自動販売機を発見し、「これおいしそう」と言って彼はよく分からない飲み物を購入した。
まずかったそうだ。
「就職先がこんじゃんじゃなかったらいいんやけど」と彼。
それはともかく、彼は明日(3月5日)も梅田にくるとのことだ。彼女とのデートで。
「彼女いるのに自殺しようとしたん!?」と僕。
「それは関係なくない?」と彼。
そんなもんなのか。
自分は今まで彼女できた経験というものがないからよく分からないけど。


梅田キャンパスに着くと、さっそく彼は手続きを始める。
その間に適当に本や資料を物色し、3月25日に既卒者用の「初めての就職セミナー」というものがあると知ったのでそれを勧めておいた。
ところで、話は変わるのだけれども、昨日の朝、就活用に使っているメールアドレスに、大学の卒業生用の就職支援サイトから"2010年4月にご登録いただいた皆様は、来月(2011年4月)中に利用期限を迎えることとなります。"という内容のメールが届いた。
自分も昨日、更新しといたほうがよかったのだろうか。
いや、一応そのつもりで行ったのだけれども、携帯電話にIDをメモしていたので、昼に携帯電話の電池が切れた自分にはIDが分からない状態だったという。


その後は、一緒に夕飯としてラーメンを食べに行くことに。
ずいぶん前から使わずに財布の中にあるテレフォンカードを使って家に連絡し、彼がオススメというその店にいくことに。
そこで、一昨日行った合同企業面接会の参加企業の資料を手渡して見せたところ、結構好反応であった。さらに自信がわいてきたっぽかった。
話を聞いた限り、もっと大企業志向だと思ってたけれども、そういうわけではないのか。
ところで、彼は1年間研究生としてやってきたこともあり、ついこないだまでは大学に行っていたとのことだ。
研究生とはいっても、研究はせず、ずっと院試の勉強をしていたそうだけれども。
とりあえず、昨年新たに入った4年生の話を聞くことにした。
4年生は4人おり、そのうち男は3人女は1人で、うち男一人は院に進学、男一人は卒業し就職、女一人は不明。多分卒業して就職した。とのことだ。
で、もう一つの男なのだけれども、これが結構衝撃的だった。
特にその子は3年の始めから研究室に来ており、一緒に研究発表のフォーラムを見に仙台まで行った仲だったので結構ビックリした。
中間発表まではよく来ていたらしいのだけれども、それから1か月間研究室に来ず、同じ研究室のともだちが連絡したものの来なかったらしい。で、ある土日の誰も来ていない日に来たらしく、月曜日に荷物がなくなっていたとのことだ。
勉強はできる子だったらしいのだけれども。
ユーフォーキャッチャーもうまかった(それは関係ないが)。


ところで、そこだったか、ラーメン屋でてからだったかは忘れたが、「俺が、○○(自分の名前)君やったら死んでるわ」ということを言われた。
「だって、ストレートのこの大学入って、就職できへんねんで。こういうこと言っちゃあれやけど、クズやろ。よく死のうと思わへんよね」
なんじゃその言いぐさ。
「まあ、俺も同じやけど」
うーん・・・。
でも、自分もどうだったかなあ。確かに、1年ほど前は結構精神的に落ち込んでた気はする。でも、自殺はさすがに考えてなかったような。いや、今よりは選択肢として考えてたかな?


その後、ゲームセンターに行って彼が格闘ゲームやっているのを1時間ほど後ろで見、そろそろ帰らないとナイトスクープに間に合わないと思って、彼を残して帰った。
帰り際に、「また連絡して」とは言っておく。多分、大丈夫だと思う。