萌えるアメリカ

萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか

萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか

目次(amazonより引用)

1 八〇年代、ゼロからのスタート(新天地をめざして
ヒッピー文化にブッ飛ばされる
ニューエイジ世代とサブカルチャー ほか)
2 九〇年代、ピンチをチャンスに変えるまで(コミックバブル崩壊
不況を勝ち抜く「個性」
ヨーロッパへの進出 ほか)
3 二十一世紀、新たなる革命に向けて(「少年ジャンプ」アメリカへ行く
アメリカの雑誌流通事情
小学館集英社がひとつになった日 ほか)

タイトルからしアメリカにおいての漫画史かと思いきや、まあ間違っちゃあいないのだがアメリカに日本漫画を知らしめた一人の男(=著者)の物語。つまり、半分ほど自伝のようなものである。
また、タイトルに反してまったくオタクっぽくない著者であり、タイトルにはついているのに本文には『萌え』という言葉はでてこない。オタク文化の話はでてくるが、それも最後のほうに少しでてくるだけだ(これは個人的な感覚だが、BLをやおいと言っていることに少し違和感があった)。


著者の名前は堀淵清治。アメリカで小学館の出資をうけて『ビズコミュニケーションズ』をたちあげ、アメリカにおいて日本漫画を流通させた当事者である。
彼は高橋留美子を女神といい、彼女がいなければこのビジネスは成功しなかっただろうとまでいっている。それほどまで、高橋留美子アメリカでの人気も確立したようだ。
先日紹介した『宮崎駿の時代』に書いてあったとおり、実体はまだまだ漫画に対する印象がよくない人が多いアメリカであるが、著者のように日本の漫画を世界に広げる役目を担う人がいれば、日本漫画も世界的に認められるようになるのかもしれない(宮崎駿は嫌がりそうだが)