今年見たドラマ評論

wikipedia:日本のテレビドラマ一覧_(2000年代)#2008.E5.B9.B4を参考。
(一部)と書かれたものは全ての話をみたわけではない(最終回は見た)

だいすき!!(一部)

個人的に、障害者ドラマというのはどうも苦手だったりする。というのも、障害者ドラマというものはどうも暗くて重々しい話が多く、見ているだけでも辛いものが多い。
だけれども、このドラマは障害者ドラマといって明るく、障害者ではなく、ただの元気で天然な女性が主役のドラマといわれても違和感がないように思う(実際、ドラマの中では障害者と知るまでそう思っていたという人がでてくる)。
後、このドラマのすごいところはキャストの選び方。主役で障害者役の人が香里奈で、大阪弁のさえない主婦の役がMEGUMI。多分、これを見る前に聞いたらミスキャストだと思っていたと思う。しかし、これがものすごく役にはまっており、MEGUMIといわれるまで気づかなかったぐらいだ。
しかし、最後のほうで母親が倒れ、死ぬかもしれない病に犯され、障害者ドラマではよくあるバッドエンドか・・・と思ったら、無事退院できてハッピーエンド。よかったよかった。

CHANGE

正直いうと、自分は政治というものに興味はなかったのだが、このドラマを見て少し政治に興味を持ち始めた。
このドラマは、脚本家の理想とする政治環境のメッセージがこめられており、特に最終回の22分間カットなしの放映は印象深い。多分、それまでの放映はあれを視聴者に伝えるための前フリのようなものだったのだろう。
ところで、このドラマはキムタクが総理大臣になるという話であり、それは大夫前から予告されていた話なのだけれども、なぜキムタクなのか。
キムタクがでたら高い視聴率がとれるから。
それは半分正解で半分ハズレ。
先ほどもいったように、このドラマは脚本家が伝えたい政治メッセージがこめられているが、政治ドラマというだけなら政治に興味ある人しか見ない。このドラマで首相の席を狙っていた役の寺尾聰が総理大臣になるドラマなら僕は見ない。
むしろ、こういう政治メッセージを伝えたいのは政治に興味のない人に見てほしいわけで、ではそのような人にメッセージを伝えるにはどうすればいいかというと簡単な話、いればかならずといっていいほど視聴率が高くなる人材を用意すればいいだけの話であり、それがキムタクというわけである(同じことが24時間テレビにも言えるんじゃないかと思う)。
しかし、政治面だけでなく、コメディー面もなかなか面白く作られていたように思う。
そういうことも含めて、僕はCHANGEが今年一番のドラマだと思っている。

モンスターペアレント

最近はやりのモンスターペアレント
これまたキャストが枠にはまっている。特にモンスターペアレント役の人。
このドラマも教育的なメッセージがこめられており、モンスターペアレントだけでなく、モンスターティーチャーにも視点をあてた話もあり、ただたんにモンスターペアレントを悪としたドラマでないところが面白い。
ただ、解決したのかしていないのかよく分からない話が多々あり、そこが気になるところ。わざとかもしれないが。
後、なぜそうしたのか分からないが、モンスターペアレントの子どものほとんど素直でいい子が多い。
自分はモンスターペアレントの子どもはモンスターチャイルドであるというイメージがあり、そこが違和感があった。
まあ、このドラマは子どものことをよく考えて、教師と親が親身に相談しあう関係になってほしいといったメッセージがこめられていると思われるので、子どもを悪としてはいけなかったのかもしれない。

正義の味方

悪魔のような存在の姉がなぜか回りでは正義の味方と称される話。
しかし、姉自身は別に正義の味方に思われるように振舞っているわけではなく、普段どおり振舞っているだけなのだが、なぜか姉の悪事が周囲に幸せをもたらすといった内容になっている。
たいていの場合、無理やり、というより偶然にも周りを幸せとさせた。という話が多いのだけれども、面白かったのがハイヒールの音がうるさく、静かになるように裏にガムでもつけとけ!と怒ったらそれがヒット商品とむすびついた話。あれはなかなかうまかった。
それはともかく、このドラマでとくに驚いたのが第9話。最終回の前の話であるが、ここで主人公はある夢を見る。主人公は夢のようなことになったらどうしよう!と不安に思う。そしてその日の放映で、その夢の途中までの流れになり、そこでその日の放映は終わり。次週につづく、となる。
そこまでならそんなに珍しいことではないのだけれども、何より驚いたのが本当にそのまま次の週で夢の流れのとおり進行したこと。多分ほとんどの人が、「どうせ違うんでしょ」と思ったんじゃないかと思う。
あの流れは絶対に謝ると思った。なんか悔しかった。

セレブと貧乏太郎

金持ちの女性と貧乏な男性の恋物語
タイタニックもそうですね。
一応、ワーキングプアをテーマにしているらしく、スポンサーにバイトルドットコムがありました。いや、あまり関係ないとは思うんですが。
内容はいたって普通。
このドラマで伝えたいことは、金や名誉よりだいじなもの。だろうか。金や名誉をとるほうを悪とする。まあそれもありきたりなような気もしなくはない。
爆笑レッドカーペット
芸人枠のゲストは・・・髭男爵ぐらいしか分からなかった。最近、お笑いにうとい。

オー!マイ・ガール!!

突然、人気女優の女の子と一緒に暮らすことになった男性の話。
一応、主役に父性が芽生え、仲良くすごす成長物語である。
はたして、親とはなんなのか、血がつながっていることだけが親なのか、また一緒に仲良く暮らすことがいい親の条件なのか。
全体的にいい話で、特に第4話は感動物だった。少女のわがままのせいで家がボヤになり、それでも謝らない少女にたいしてビンタをして現状を把握させ、謝らせるというもの。
それまで、どうも主役の少女の仲が話が終わるごとにリセットされていたように感じたが、ここで劇的に、しかも自然に仲がよくなったように思う(といっても、ボヤ騒ぎをだしたのは少女の主役にたいする嫉妬心からであるので、そんなことがなくてもすぐに仲よくはなったように思う)。
ただ、主役の相談役である女性。その女性が発する言葉がどうも自分にはしっくりこなかった。たとえば、ある日突然一緒に住むことになった血がつながっていない主役と少女の関係とずっと一緒に住んでいる血がつながっている自分の子どもと自分の関係を同一視した部分など。いいことを言っていると感じる発言もあったが、それはちょっと違うんじゃないかと思える部分もあった。

OLにっぽん

中国へのアウトソーシングが本格的になってこようとする今の日本。そんなアウトソーシングをテーマに描いたドラマである。
最初のほうでは脚本家の考える中国のいいことをテーマとしていたように感じたが、途中からは今までの日本の企業のあり方のいい部分をテーマとした話にになり、両方のいい部分をうけもつ企業こそがこの脚本家の理想とする会社像ではないのだろうか。と感じた。
だいたんなのが、第1話では化粧をして働く女性ははっきりいって化粧をする時間が無駄であり、そんなのはやめてしまえ。と伝えたいのかと思ったら、最終回では日本人に魅了された中国人が自ら化粧をして仕事をするといった展開にしており、途中で切った人は脚本家が伝えたかったメッセージ性とは違うようにとらえてしまったのではないかと思う。
『人は宝だ』
このドラマは感情のない機械ではなく、感情を持ち合わせている人でしかできない総務課の話である。

夢をかなえるゾウ

今年2位の売上を誇る書籍が原作のドラマ。
しかし、原作どおりの話ではなく、ドラマオリジナルのシナリオである。
最初はどうもテンポが悪かったが、じょじょにそんなこともなくなり、最終的な感想としてはなかなか面白かったと思う。
原作とは違い、夢を叶えれれたかどうか分からずに最終回となったが、近い将来に叶えることができるようになるだろう。
ただ、このドラマではSPドラマとは違い、途中で課題を実行したことによって「最近変わったね」といい意味でいわれることはなく、同じ言葉でも変人扱いされたような言い方をされていた。
どうせなら、最後のほうに最初のほうでだした課題の効果があったりそのことについて何か言われたりするという展開があれば面白かったのだが・・・
まあ、それなりに面白かったとは思うが。
また、このドラマを語るうえでかかせないのが主題歌であるSEAMOの『Continue』。
この曲の歌詞は本当にすごい。前にも書いたけれども、これほど歌詞がドラマとマッチしたタイアップ曲もなかなかないだろうと思う。

*

さて、ここまで見て気づいた人は多分いないと思うけれども、ほとんどのドラマは夜10時以降放送のドラマだったりする。
なぜかというと、バイトから帰って来る時間がだいたい10時前だからだ(CHANGEやセレブと貧乏太郎が見れたのはその週に休みももらっていたため。CHANGEでは一度シフトが入り、ビデオ録画をしたが)。
さてさて、今クールは4本もドラマを見たが、来クールはどうなることか。今のところ、見たいと思うドラマはあまりないが、『キイナ』とかいうドラマはもしかしたら見るかもしれない。