ジェネラルパーパス・テクノロジー

目次(amazonより引用)

はじめに
■第1章 ITは経済社会の基幹技術
1 世界経済構造の地殻変動
2 日本のIT事情を象徴する金融システム障害
3 ITはジェネラルパーパス・テクノロジー
■第2章 ITとは何か?
1 一九八〇年代~九〇年代前半に起きたコンピュータ・システムの大変化
2 クライアント・サーバー型モデルとオープンシステム
3 新しい通信ネットワークと出会ってITが誕生した
■第3章 日本の情報システムはどうなっているか?
1 心臓部にあるレガシーシステム
2 銀行・政府・交通・小売り・製造業の現状
3 日本特有の課題がある
■第4章 日本の電子政府は「おもちゃ」
1 驚くべきレベルに達しているアメリカの電子政府
2 日本の電子政府は本当に「電子」の政府なのか?
3 電子政府に対する基本姿勢が間違っていないか?
■第5章 ITが経済社会の基本構造を変えた
1 ソ連型の計画経済から、アメリカ型の市場経済
2 恐竜型巨大組織から、動きの速い小組織へ
3 巨大企業による垂直分業から、専門化した企業群による水平分業へ
4 九〇年代以降の日米経済構造の大きな差
■第6章 未来への選択
1 グーグルから読みとる方向性
2 「次世代ネットワーク」が示す方向
3 グーグルとNTTの対比が意味するもの

本書では、日本がどれだけIT産業で出遅れているかをいろいろな視点で示している。ただし、それは日本の文化的なもの(日本語の難しさなど)からしてある意味でしかたのないこととも書かれており、複雑な気分だ。
ただ、全てが全てしかたないといってるのではなく、たとえば第4章で述べていることは今すぐにでもやろうと思えば改善できることだ。
第4章では、著者による日本政府が提供している電子政府の総合窓口e-Gov イーガブを利用した感想を述べており、それを見ているといかに日本の電子政府が使いにくいかが伝わってくる。
著者がためしたもののうちの一つが日本の人口を調べるというものであるので、上記のサイトから自分もやってみたのだがやはりなかなか見つからない。
また、ブラウン大学が提供している世界各国の電子政府のランキングを参考としてしめしており、それによれば日本は北朝鮮よりも順位が低い状況だという(日本40位、北朝鮮39位。1位は韓国)。
世界の電子政府2007(ブラウン大学)
他にも、日本における金融システム障害や、垂直分業から水平分業への出遅れといった、他の本と少し着眼点の違う部分をとりあげており、これらを克服すれば世界一といわないまでも、日本の一人当たりのGDPもあがるかもしれない。