Web2.0殺人事件
- 作者: 岡部敬史
- 出版社/メーカー: イーストプレス
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
- クリック: 28回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
第1話 ミクシィのアリバイ
第2話 教えて!gooの暗号
第3話 ブログ殺人事件
第4話 はてなブックマークを解読せよ!
第5話 口コミサイトと招待客
第6話 YouTube誘拐事件
2年前に発売された本であるが、Web2.0型のサイトを小説形式で紹介するちょっと変わった本。
教えて!gooで質問したときに答えてくれた女性にヒトメボレしてしまった既婚男性の話、ブログの発言をきっかけに殺人事件に発展する話、YouTubeをつかって誘拐事件の犯行声明、はてなブックマークを用いて昇進(笑)。といったように小さい事件から大きい事件までをWeb2.0型サイトを通じて解決していく短編ものである。
主役は5年前に父親を亡くした10歳の男の子、目盛寧人。そしてその母、喫茶店メモリーを切り盛りしている目盛恭子。物語はこの二人を中心に進んでいく。
小説としてもなかなか面白く、特に第6話のYouTube誘拐事件のトリックはなかなかよくできていた(少し無理があるような気もしなくはないが)
ところで、あとがきによれば筆者がこの本を書こうと思った動機は、筆者はアナログ人間であるが、Web2.0関連の本にはデジタル人間向けのものが多く、それなら自分が書いて、もっとアナログ人間にも親しみやすいものということを知ってもらおうと思い、この本を書いたらしい。のだが、上記にも書いたようにブログの発言をきっかけに殺人事件にはってんだとか(実際、殺すつもりはなかったと容疑者は言っているが)、YouTubeを使って犯行声明だとか、はたしてWeb2.0は面白い!と思ってくれるのだろうかと思ったが、それは自分がデジタル人間だから、ということにしておこう。