テレビ進化論

テレビ進化論  (講談社現代新書 1938)

テレビ進化論 (講談社現代新書 1938)

目次(講談社公式サイトより引用)

第1章 ギョーカイの解体新書
第2章 「流通力の覇権」と「創造力の覇権」
第3章 デジタル二重革命
第4章 「次のテレビ」の誕生
第5章 映像コンテンツの未来

ウェブ進化論(asin:4480062858)がでてからというもの書名に○○進化論とつけるのがはやっているのか、本書も本タイトルに進化論がつく。
全体的な内容としては、『放送と通信の融合』について。テレビ進化論というよりは映像コンテンツ進化論と言った感じである。
今日、インターネットではYouTubeニコニコ動画などの動画サイトが人気を得ており、2011年にはデジタル放送へ完全移行するテレビ。そんな今までにない最大の危機をむかえるテレビ業界。著者はそこに放送と通信の融合を念頭においた『次のテレビ』と『テレビの次』を提案している。
『次のテレビ』とは、Web2.0型のテレビ。著者はマイ・チャンネルというブックマーク型の番組を提案し、ユーザーごとに違った映像をわりあてるというものである。
『テレビの次』とは、ユーザーが映像を作る世界のことをさす。たとえば、ニコニコ動画でいうMADなどである(なお、著者はYouTubeの動画を図書館の本、ニコニコ動画の動画をクラスの雑記帳と表現している)。


『テレビの次』の内容を見て、昔やっていた週刊ストーリーランドという番組を思い出した。知っている人も多いと思うがこの番組は、視聴者から送られてくるオリジナルストーリーをアニメ仕立てで放映していく番組であった。
つまり、視聴者がアニメの脚本家を担当しており、その内容が番組の中心となっている。
これこそ視聴者参加型番組ではないだろうか。
ああいう、視聴者がもっているストーリーアイディアを募集し、そのアイディアをもとに作る番組というものをまたやってほしいものだ。