グーグルとウィキペディアとYouTubeに未来はあるのか?―Web2.0によって世界を狂わすシリコンバレーのユートピアンたち
グーグルとウィキペディアとYouTubeに未来はあるのか?―Web2.0によって世界を狂わすシリコンバレーのユートピアンたち
- 作者: アンドリューキーン,Andrew Keen,田中じゅん
- 出版社/メーカー: サンガ
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本
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いやねぇ、Web2.0という言葉だけで反応するようになるとグーグルとウィキペディアとYouTubeなんて聞くと思わず手にとってしまうようになるんですよ。
さてこの本、Web2.0批判だとは思ったのだが、てっきり今後のWeb3.0を考える本だと思っていたら大間違い。ただのアンチWeb2.0本であったというオチである。
昔はプロの専門家が活躍していたが、今は素人の下手くそな動画や音楽でにぎわっている、もうネットは終わった。というのがこの本でいいたいことだろう。
まあ、こういう考え方もありか。ということで読了してみたが、最後まで同意できなかったのが本音である。プロと素人がともに伸びる環境が一番ふさわしいと考えているんでね自分は(言いたいことは分かったが)。
ところで、Web2.0はともかく、アンチGoogle本というのは他にも何冊かでており、とくにここ1年でかなり増えているように思う。
自分が読んだことがある本ではGoogleが消える日―情報学序説、Googleとの闘い―文化の多様性を守るために、有名なところだと2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)がある(後者ふたつはアンチGoogle本とは少し違うかもしれないが)。
これらは、Googleはコンピュータに頼っているだけで人の感情のぬくもりというものを感じられないというものや著作権、プライバシー権の侵害について語っている。
僕は、Googleはよく使っているほうであり、検索はGoogle派である。しかし、Googleの問題はこれらの本だけで語られることだけでなく、先日にもストリートビューでプライバシー権の侵害ではないか、戦闘機の購入はやりすぎだ、というようなことが問題になっており、ここ1年株価も下がり続けている(これは、サブプライム問題と関連しているのかもしれないが)
知的情報から感性情報の時代ともいわれているとおり、最近は自然言語の検索技術も注目されている(NTT開発の『なずき』など)
はたしてこんな中、Googleはいつまで生き残ることができ、どのように成長していくのか。今から注目したいところだ。